本屋さんをぶらついていたら、思いがけない素敵なものに出会ってしまった。
わたしは本を読むのが好きで、移動中の暇つぶしはもっぱら読書である。どんな小さなバッグにも本を入れて持ち歩く。そのせいで化粧ポーチが入らなくとも構わない。
基本新品は買わず、古本を好んで買っている。コートのポケットに入れて持ち歩いたり、読みながら寝落ちしたり、半身浴のお供にするには、新品だと気が引けるのだ。
元来雑な性格だから、しおりなんて上品なものは使っておらず、元々付いている紐(スピンというらしい)か、紐がなければ付箋を使っていた。
智光のステンドグラス調ブックマーカー
この美しさを見てほしい。これがわたしの愛用している智光の『ステンドグラス調ブックマーカー』である。ステンレスでかたどられたシルバーの中に、クリアな色彩が流し込まれていて、上部にパステルカラーのリボンが結ばれている。
このしおり自体がキラキラと輝いているのだけど、太陽の光に当てると本領を発揮する。だからよく晴れた日は、テラス席があるカフェなんかで本が読みたくなる。
満員電車の中で、このブックマーカーを挟んだページを開く時はドヤ顔である。後ろに立つ人の目に留まればいいなと思いながら本を開いている。
集めたくなるシリーズコレクション
このブックマーカーは「海のいきもの」というシリーズで、全14種類のラインナップが展開されている。どれも可愛らしくて決め切れず、わたしは「クマノミ」の他に「アザラシ」と「サメ」を持っている。
購入先は新宿の紀伊国屋本店の2F。全種類は置いてなかったが、「海のいきもの」シリーズ以外にも「春の花」シリーズなんかも置いていた。
どれも個性的で可愛らしく、遊び心のセンスに惚れ込んでいる。ちょっとしたプレゼントにも使えるのではないだろうか。両親に贈ったら、父親が特に気に入ってくれた。手紙に添えて封筒に入るサイズなのもいい。
個人的には「サメ」を気に入って使っている。モチーフが珍しく、愛嬌ある2匹の顔とカッティングがグッドデザイン。
機能性<デザイン性
このブックマーカー、正直使い勝手はそんなによくない。
サイズは長辺9cm、短辺2.5cm、厚み0.8cm。これ以上薄いと曲がったり折れてしまいやすくなるので、厚さとしてはこれが限界だろう。厚すぎるということはないのだが、本に挟んで鞄に入れておくと、本から外れてしまっていることが何度かあった。
あとリボンの部分がぴらぴら本から飛び出るので、可愛らしい反面邪魔でもある。機能性で言えば、付箋が1番使いやすいという結論に到達しているが、やはり付箋ではどこか味気なく心許ない。
そもそも本のしおりという道具そのものがそんなに機能性に優れたものではないように思う。(元も子もない)多少の使いにくさも、その道具が持つ味わいではないだろうか。
最後に
暮らしのなかで、本を読む時間は特別な役割を担っていて、それらがわたしにもたらしてくれる影響は大きい。どんな道具も、思い入れを持って意図的に所有したい。
なくてもいい。でも、あるともっといい。そんなささやかで小さな拘りが、わたしのモノ選びの基準である。
このブックマーカーはまさにその基準を具現化した、愛すべき小さなツールなのだ。