偏愛モノ語り

一生ものを手に入れた。エルメスのスカーフ・カレ|偏愛モノ語りNo.10

HERMESのCARRE『レアクション・アン・シェーヌ』

ずっと欲しかった、エルメスのスカーフ“カレ”を購入した。このアイテムについて、溢れ出る思いの丈を綴らせてほしい。

憧れのスカーフ“カレ”

エルメスの“カレ”と言えば、ブランドを象徴する代表的なプロダクト。

発売から長い歴史の中、今なおシーズン毎に新作が発表され続け、基本的に同じデザインは二度と製造されない。そのため人気のデザインは、ユーズドでも定価以上の価格が付く人気商品。中古でも、人の手を経て時を経て、ビンテージという「価値」に代わるのがエルメスのスカーフ“カレ”なのだ

カレ 90『レアクション・アン・シェーヌ』

今回わたしが購入したのは、2021春夏コレクションの『レアクション・アン・シェーヌ』。サイズは70cm×70cmと迷ったのだが、ファーストスカーフなので定番の90cm×90cmにした。

HERMESのCARRE『レアクション・アン・シェーヌ』HERMES CARRE 90 -REACTION EN CHAINE-

お目当てはブルーのスカーフだったのだが、このオレンジを見つけてしまって一瞬で心変わりした。ミーハーなのは承知の上、王道も王道なエルメスカラーのオレンジである。

スカーフだけでも敷居が高いのに、こんな「ザ・エルメス」のような色はそれっぽすぎるかなとも思ったのだが、首元にあててみると顔なじみが良く華やかで、嬉しくなってしまった。

スカーフというアイテム自体がコンサバなので、カジュアルな服装に合わせたい。シンプルな白Tとデニムに、さらっと重ねたらとても素敵だと思う。

HERMESのCARRE『レアクション・アン・シェーヌ』Tシャツのしわはご愛嬌・・・

気に入っているのは、スカーフを縁取るオレンジライン。白とのコントラストが上品で本当に気分が上がる。

巻き方次第でオレンジの面を増やしたり、白の面を増やしたり、印象をアレンジ出来るのもスカーフの楽しみ方と知った。

巻き方もたくさんレパートリーがあって、How To動画を見ながら試行錯誤を繰り返している。鏡の前に立ち何回も巻いては外し、巻いては外しを繰り返している。エルメス泣かせの不器用さが悔しい。

買って間もないのでまだまだハリがある。ボリュームが出るとエレガントになりすぎてしまうし、少し間違えるとカーボーイみたいになるので気を付けなければ。スカーフ初心者は70cm×70cmもコンパクトでいいかもしれない。

カレの何が魅力なのか

  • 長く愛用することが目的に企画・製作されている
  • 芸術性が高く、際立って美しいデザイン

カレが欲しかった理由は上記の2点。今回購入を検討するにあたり、エルメスの歴史や品質理念、製造工程などを調べた。

カレの製作には、企画からデザイン、製造、販売まで、長いもので2年もの月日がかかる。素材であるシルクもエルメスが誇りを持って厳選している。

デザインを手掛けるのは、エルメスのカレデザイナーたち。正方形のシルクに、デザイナーのクリエイティブな闘志がこめられているのを感じる。製造過程の拘りと労力、歳月をかけて実現するクオリティは、長く愛されるプロダクトの条件なのだろう。

本当に惚れ惚れするほど美しいカレのコレクション。緻密に組み合わされたデザインと、堂々とした色合いに心を打ち抜かれてしまった。

最後に

一流ブランドが手掛ける、最高品質のスカーフ“カレ”に、まだ少し気後れしてしまう。エルメスのスカーフを巻く自分を、客観的に見て恥ずかしがってしまうのだが、媚びずにさらっと着こなせるように歳をとっていきたい。

そのためには見た目以上に佇まいや立ち振る舞いに気を付けなければと、背筋が伸びる。いいものは、いい効果をもたらしてくれる。ものが持つパワーに助けてもらうのも悪くない。

ものを所有することに意識を向けるようになってから、見た目かたちの表面だけでなく、ものとしての存在価値や製作背景など、プロダクトが背負う裏面に共感できるかどうかが自分の中で大事なんだと分かってきた。

これからの人生で選んでいくものは、数多くなくていい。でも「これがいい」と信じているものと共存していきたい。

大切に使おう、心からそう思っている。